Hallow Swallow

Categorie : 雑感

GO!GO!7188 / 竜舌蘭

 パンキッシュなメロディの中に感じる、大衆音楽が歌謡曲と呼ばれていた頃を彷彿とさせる、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気。コンセプトに「和」を掲げ、歌詞に英語は使いません。

 ヴォーカルは椎名林檎っぽいし、若干通じる部分はあるけれど、音楽性だとか、プロモーションの方向だとか、エロ度だとか、そゆのひっくるめたスタイルにはかなり違いがあると思う。その違いが両者の知名度の差に繋がっているかどうかは、あたしゃ知らんが。


 やり過ぎなくらいにコンセプト面が強調されていた3rdの鬣から、ゆうとアッコのソロワークを経て登場した4thの竜舌蘭では、前作から一転、とまでは行かないけれど0.5転くらいした素直で骨太なバンドサウンドを展開。そして、そのおかげで賛否両論の物議を醸したり。アタシは鬣も竜舌蘭もどっちも良いと思うけど、どっちか1枚っちゅーたらコイツを推すね。

 感覚的には、鬣がカーブなら、竜舌蘭は高速スライダーみたいな? 個人的にこのバンドでストレートは無いと思う。必ず、絶対どっか捻くれてる。そして、その捻くれてるところが魅力なワケで。

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UNDERGROUND SEARCHLIE / スケキヨ・アオヌマシズマ

 まだオーケンが筋少のオーケンだった頃にやったソロプロジェクト、それがUNDERGROUND SEARCHLIE。スケキヨとアオヌマシズマと言う2枚のミニアルバムを出しました。

 オーケンは言いました。周りのヤツラが売れる曲書けって五月蝿いから、絶対売れないアルバムを作ってやった、と。いや、貴方ゴーゴー蟲娘の時もそんな事いってたじゃないですか。

 君は千手観音、横隔膜節、埼玉ゴズニーランド、頑張ったがダメ、これが私の登山口。幾つかタイトルを並べて見た。ダメだコリャ。しかし、このタイトルを見ただけで分かるダメさ加減が、オーケン好きには堪らないのである。逆に言えば、このアルバムはオーケンが好きな人以外が聴いても、あまり意味は無いのであります。ちょっとはあるかも知らんが。

 このアルバムは1998年発売で極少量の限定生産の筈なのに、今でもアマゾンでフツーに買えたりするからアラ不思議。この頃オーケンはエレカシの宮本氏とテポドンがお気に入りで、ラジオでアシスタントをやっていたグラビア系演歌歌手の林あさ美に「次の曲のタイトルはテポドンにしなよ」としきりに勧めていた記憶がある。因みに、林あさ美のデビュー曲はバカ演歌として有名な「つんつん津軽」。


 アルバムのタイトルになっているスケキヨとアオヌマシズマってのは、横溝正史の「犬神家の一族」に登場するキャラクターの名前なのだが、この名前を拝借するにあたって、オーケンが横溝正史の息子である横溝亮一氏にお伺いを立てた所、快い返事と共に「犬神家の一族の音楽化に際して」という非常に真面目なコメントが添えられてきたというエピソードが。

 歌詞カードの裏にはその横溝氏のコメントと共に、オーケンのお詫びコメントが載ってます。

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YEAH YEAH YEAHS / Fever To Tell

 ガレージってやつです。しかし本人たちはアート・パンクを自称しております。何それって感じですね、全然意味ワカンネェ。

 ヴォーカルのカレンちゅ女性のビジュアルが、何か楠田枝里子っぽい気がする。なんで、アタシは勝手にエリコと読んでる。別にあんま似てない気もするが、まぁ、イイじゃないかブラジル。

 後はギターとドラムの男が二人いる。ベースが居ないのがガレージの流行らしい。エリコ、両手開いてるんだからなんか楽器やればイイジャン? とか思うのは素人の浅はかさ。ベースなんて弦が4本しかない、ギターの成り損ないみたいな楽器はアートじゃ無いのです。したがって、エリコはそんな楽器触りません。

 完全パンクマニュアルによると、パンクバンドにおいてはベースは一番人気っつーか、最重要パートで、他は賑やかし程度の役割らしいですが、エリコのバンドはアート・パンクなので、ピストルズに憧れてるようなそこらのパンクバンドとは次元が違うのです。アートですから。

 日本国内盤はバンド名が『ヤー・ヤー・ヤーズ』って書かれてて、知らない人が見たら凡そアートなんて言葉からはかけ離れた印象を持つだろうけどね。


 で、バカと天才は紙一重と言いますが、このバンドのカッコ良さってのもそんなギリギリの所にある気がするのよね。ピカソの絵と子供の落書きの境界みたいな? そもそも自分らをアートと言ってしまった、或いは言われてしまった時点で、ある種失笑物ですからね。おまえは漫画芸術家かと。

 で正直アタシにゃ彼らのカッコ良さは理解できんかった。『MAPSを聴かせる為にこのアルバムを作った』ってどこかでコメントしてたらしいけど、なる程、確かにMAPSは良い曲だった。でもさー、他はちょとなー。ギターフレーズとか、良いなと思える部分はある物の、如何せんエリコのヴォーカルがエキセントリック過ぎ。4曲目のTickなんて、笑わずにはいられない面白さでしたよ。っちゅか、笑わそうとしてるのかしら?

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SUPERCAR / JUMP UP

 SUPERCARのアルバムの中から1枚選べっちゅたら、おそらく、SUPERCAR通の人ならスリーアウトチェンジを挙げるんでしょう。でも、僕は2ndを挙げます。何故か? My Girlが入ってるから。ただそんだけ。イイじゃんか、好きなんだよ、この曲。

 僕が聞き始めたのは3rdからなんで、SUPERCARに対してギターってイメージがあまり無いのよね。ちゅーか、1st聴いて逆に違和感を覚えたくらいだし。うわ、ギュインギュインいってりゅーって。1stは1stで良かったけどね。


 2nd以降、徐々に打ち込みの要素が楽曲中に占める割合が増えて行き、ぶっちゃけSUPERCARってバンドでやってる意味あんのかしら? なんて感じ始めた所にLAST SCENEなんてタイトルの曲が発表されて、うわ、ヤバイんじゃね? とか思ったんだけど、まぁ世界の終わりって曲でデビューしたバンドもあるしなーなんて安心してたら、その後約1年の沈黙、そして解散。驚いたけど、やっぱりな、とも思った。

 まぁ、ミキちゃんの今後の活動に期待ってことで。

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新井薬師自警団 / 新井薬師自警団上陸ーッ

 その昔ケムマキ少年は、金も無い癖にパソコン雑誌を毎月買って、ソコから得た情報を元に最強のオレPCを夢想するショーモナイ日々を送っていました。だって、金無かったからね。今も無いんだけど。

 そんなケムマキ少年が毎月買っていたPC雑誌は今は亡きASCII DOS/V ISSUE。しかも、そもそもこの雑誌を読み始めた理由はパソコンに関する知識や情報を得る為ではなく、目次にも出ないような隅っこでひっそり連載されていた、クーロン黒沢のコラムを読む為でした。告知も何も無く突然終わっちゃったけどね。

 で、この雑誌には2ページくらいのスペースで、ビデオやCD、本なんかの新作、しかもマイナー系のを紹介するコーナーがありまして、そこに載ってたのがこの新井薬師自警団。興味を持ったので、発売日に近所のCDショップに行って見た所、普通に並んでてちょっとビックリした。いや、DAIPRO-Xなんてレコード会社、聞いた事も無かったので、まさかそこらのCDショップで普通に入荷されるとは思わなかったのよ。ちゅか、今調べたらDAIPRO-Xって嘉門達夫が所属してんのね。


 モットーに『金をかけずに手間かける』を掲げるこのバンド。編成は、ヴォーカル&アコースティックギター、エレキギター、ピアノ、ベースの4人。ドラムが居ないこのバンド、楽曲は現在主流なポップスとは毛色が違い、ニューフォークとかジャズとかあんまり体温高くない系。因みにヴォーカルは女性です。

 結局このバンドはシングル1枚アルバム1枚をリリースしただけで解散してしまった。彼らの曲に、ねるべーと言う曲がある。どうにもならなきゃ寝てしまえ、といった内容だが、やっぱり寝たところでどうにもならなかったらしい。まぁ、仮に存続していたとして、このバンドが世間的に認知される日が来ていたかというと、そんな事は無かったと思う。絶対ね。言い切るよ。明らかに「売れる」バンドではない。

 でもアタシはこのバンド大好きだし、ねるべーやゆうこさんは名曲だと思う。商売でやってる事だし、遊びじゃないんだから仕方が無いとも思うけど、こういうバンドがひっそりでものんびりと続いて欲しかった。